Arch Linuxはパッケージ更新が早くて新しもの好きには嬉しいディストリなのだが、 公式リポジトリにあるものでは少々物足りない場合がよくある。 AURも含めればかなりパッケージ量は増える のだが、EeePC等でパッケージビルド作業を行うのは少々辛い。
そこで、一度他のマシンで作製したパッケージを他のマシンでも利用できるように、 自前のリポジトリを構築してみようと思う。
HTTPサーバを用意
とりあえず公開用のHTTPサーバとディレクトリを用意する。 わざわざApacheやらnginxを準備するのは面倒くさいので、rubyでパッと作ってしまう。
miku@hatsune% ruby -r webrick -e "WEBrick::HTTPServer.new(:Port=>3939,:DocumentRoot=> '/var/repo').start"
終了する時はpkill -kill rubyで。
4/15追記: ruby1.9なら、以下のようにするとCtrl-cで終了できるようになるので楽。
miku@hatsune% ruby -r webrick -e "WEBrick::HTTPServer.new(:Port=>3939,:DocumentRoot=> '/var/repo').tap{|sv| trap(:INT){sv.stop}}.start"
パッケージを作成
AURのパッケージのビルド&インストールには、 yaourtを 普段利用している。yaourtでは、ほとんどpacmanと同様の操作感でAURのパッケージを 扱うことができる。 以下の例は、通常のリポジトリとAURのリポジトリを更新し、 mozcをインストールするものである。
miku@hatsune% yaourt -Syua refresh & upgrade... miku@hatsune% yaourt -S mozc build & install...
この操作でmozcがビルド&インストールされ、/tmp/yaourt-tmp-miku/aur-mozc以下にパッケージ (ibus-mozc-1.3.975.102-2-x86_64.pkg.tar.xz, mozc-1.3.975.102-2-x86_64.pkg.tar.xz)ができている。 このパッケージをインストールする前に公開するリポジトリのディレクトリ(ここでは/var/repo)にコピーしておく。
4/15追記: /etc/yaoutrcを以下のように設定しておくとパッケージがPKGDESTで指定したディレクトリに追加される模様。
EXPORT=1 PKGDEST=/var/repo
リポジトリに追加
Archのリポジトリの管理には、repo-addコマンドを用いる。操作はいたって簡単。リポジトリのDBへのパスと リポジトリに追加するパッケージへのパスを引数に与え実行するだけ。
miku@hatsune% repo-add /var/repo/hachune.db /var/repo/mozc-1.3.975.102-2-x86_64.pkg.tar.xz
DBがまだ存在しない場合は自動的に作成される。これだけで、Arch Linuxのリポジトリとして機能するようになる。
リポジトリを利用
リポジトリが作成できたので、今度は別ホストからこのリポジトリを利用する。 これも単純で、/etc/pacman.confに以下を追加すればよい。
[hatsune] Server = http://10.39.39.39:3939/
いつも通りpacman -Ss mozcすると…
miku@hachune% pacman -Ss mozc hatsune/ibus-mozc 1.3.975.102-2 (mozc-im) IBus engine module for Mozc hatsune/mozc 1.3.975.102-2 (mozc-im) A Japanese Input Method for Chromium OS, Windows, Mac and Linux (the Open Source Edition of Google Japanese Input)
mozcをリポジトリ上のパッケージとして利用することができるようになった。
もしかしたらもっと便利な方法があるのかもしれないが、 とりあえずこれでもそれなりに楽なのでよしとしておくことにする。 またパッケージの署名も可能なようだが、今は気にしない。
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